半導体製造工程で日本企業が世界トップシェアを持つ分野
半導体製造工程は、大きく「前工程」と「後工程」に分けられます。
前工程は、シリコンウェハーの製造からチップ製造までの工程を指します。具体的には、以下の工程が含まれます。
- ウェハー製造
- 酸化膜形成
- 露光
- エッチング
- イオン注入
- スパッタリング
- メッキ
- CMP(化学機械研磨)
- ダイシング
後工程は、チップ製造後の工程を指します。具体的には、以下の工程が含まれます。
- ワイヤボンディング
- フリップチップボンディング
- 封止
- テスト
日本企業は、主に前工程の装置や材料において世界トップシェアを誇っています。
前工程で日本企業が世界トップシェアを持つ分野と代表的な企業は以下の通りです。
- ウェハー製造装置: 東京エレクトロン、SCREENホールディングス
- 露光装置: キヤノン、ニコン
- エッチング装置: テル、荏原製作所
- イオン注入装置: 日立ハイテク
- スパッタ装置: 荏原製作所、ULVAC
- メッキ装置: エフテック
- CMP装置: EBARA CORPORATION
後工程では、検査装置や実装材料において日本企業が強みを持っています。
後工程で日本企業が強みを持つ分野と代表的な企業は以下の通りです。
- 検査装置: アドバンテスト、日立ハイテク
- 実装材料: 住友ベークライト、信越化学工業
さらに注目は?!
前工程
- 東京エレクトロン: EUV露光装置の開発で世界をリード。次世代露光技術の開発にも注力。
- SCREENホールディングス: 最先端のクリーンルーム装置やCMP装置で高いシェアを持つ。
- キヤノン: EUV露光装置の開発に参入。半導体製造装置事業の拡大を目指す。
- ニコン: 高精度な露光装置で世界トップシェア。次世代露光技術への投資も積極的。
後工程
- アドバンテスト: 半導体検査装置のトップメーカー。AI技術を活用した検査装置の開発も進める。
- 日立ハイテク: 半導体製造装置、検査装置、材料など幅広い事業展開。
- 住友ベークライト: 半導体実装材料のトップメーカー。次世代半導体に対応した材料の開発も進める。
- 信越化学工業: シリコンウェハーや半導体製造用材料で高いシェアを持つ。
今後の注目点
- 次世代半導体への対応: 2nmプロセスや3D積層技術など、次世代半導体製造への対応が重要。
- AIやIoTなどの技術を活用したスマートな製造: データ分析や自動化による製造効率の向上。
- 国際的な協調: グローバルなサプライチェーンを構築し、競争力を強化。
前工程
- ディスコ: 半導体製造装置のダイシング装置で世界トップシェア。
- 東京精密: 半導体製造装置の洗浄装置で高いシェアを持つ。
- アズビル: 半導体製造装置のクリーンルーム関連設備で高いシェアを持つ。
- SCREENセミコンダクターソリューションズ: 半導体製造装置の洗浄装置や検査装置で強みを持つ。
後工程
- テクトロニクス: 半導体検査装置で世界トップシェア。
- ジェイテクト: 半導体製造装置の搬送装置で高いシェアを持つ。
- 村田製作所: 半導体実装材料や電子部品で高いシェアを持つ。
- 太陽誘電: 半導体製造用セラミックコンデンサで世界トップシェア。
参考資料
- 日経クロステック(xTECH): 半導体製造装置、日本勢が世界首位を維持
- SEMI: The State of the Semiconductor Industry
前工程
- 株式会社荏原製作所: エッチング装置、スパッタリング装置、CMP装置
- 株式会社東京精密: 洗浄装置、CMP装置
- 株式会社アズビル: クリーンルーム関連設備
- SCREENセミコンダクターソリューションズ: 洗浄装置、検査装置
- 株式会社ULVAC: スパッタ装置、エッチング装置
- 株式会社フクダ電子: メッキ装置
- 株式会社ディスコ: 研削装置
- 株式会社アドバンテスト: テスト装置
- 株式会社日立ハイテク: テスト装置
後工程
- 株式会社テクトロニクス: テスト装置
- 株式会社ジェイテクト: 搬送装置
- 村田製作所: 実装材料
- 太陽誘電: セラミックコンデンサ
- 株式会社京セラ: セラミックパッケージ
- 信越化学工業: シリコンウェハー、CMP材料
- 住友ベークライト: 半導体実装材料
- 三菱ケミカル: 半導体製造用材料
これらの企業以外にも、多くの企業が半導体製造工程に関わっています。
参考資料